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知って納得!コレステロールの基本②

コレステロールは動脈硬化の直接的な原因にはなりませんが、動脈硬化を進行させてしまう要因にはなり得ます。今回は動脈硬化とコレステロールの関係に注目していきましょう。

LDLコレステロールとHDLコレステロール

コレステロールは細胞膜の形成やホルモン生成に欠かせない物質ですが、油なので水に溶けません。そのため水に溶ける性質を持つタンパク質と結びつき、リポタンパク質として血液中を回ります。このリポタンパク質がLDL/HDLコレステロールと呼ばれるものです。LDLは肝臓で合成されたコレステロールを末梢に届け、HDLがそれらを再び回収して肝臓に戻します。どちらもコレステロールを運ぶ重要な役割を担っているというわけです。

LDLコレステロール=悪玉?

血液検査を受けた時、LDLコレステロールの数値が高いと不安になる人が多いでしょう。それは「LDLコレステロール=悪玉」というイメージを抱いているからではありませんか?しかし上記でも述べたように、LDL/HDLそれぞれ欠かせない役割があり、LDLコレステロールだけが悪玉に仕立て上げられるのは間違いだと言えます。薬で無理やりコレステロール値を下げるより、コレステロール値が増えた理由に目を向けることが大切です。

動脈硬化を起こす本当の原因

動脈硬化とは、動脈の血管が弾力を失ってしまった状態です。硬くなった血管は拡がりにくくいため、血圧が高くなり、また詰まりやすく心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。加齢以外で動脈硬化を起こす原因は、タバコ(喫煙)、糖質、悪い油(酸化した油)です。タバコの成分は血管を傷つけて炎症を起こし、その修復のためにLDLコレステロールが増えてしまいます。糖質は糖タンパク質に変性して血管壁を厚くする要因です。そしてこれらは活性酸素を増やし、体を老化させます。活性酸素によってLDLコレステロールが酸化すると、血管壁に吸収されやすくなり、動脈硬化をさらに進行させてしまうのです。

動脈硬化を防ぐためには

LDL/HDLコレステロールはそれぞれバランス良く働くことで体の健康を保つため、どちらかの増えすぎも良くありません。動脈硬化を予防したいのであれば、薬や食事制限などでコレステロールを下げるよりも、活性酸素を増やさないような対応が必要です。タバコはがんの原因にもなりますので禁煙が必要です。また糖質は肥満の一因なので摂り過ぎに注意しましょう。そして悪い油を避けることも重要です。次回は良い油・悪い油について詳しく解説していこうと思います。

 

[参考]

「エゴマオイルで30歳若返る」2015(南雲吉則  著/ 河出書房新社 発行)