この興味深い論文の著者は、米国医師のメアリー・T・ニューポート医学博士と、フィリピンの化学者でアテネオ大学の名誉教授であるファビアン・アントニオ・デイリット博士。
メアリー氏は、「アルツハイマー病が劇的に改善した!米国医師が見つけたココナッツオイル驚異の効能」という書籍を書き記したことでも有名です。
2020年1月31日に発表されたこの論文では、以下のようなことが紹介されています。
・ラウリン酸(C12)とその誘導体であるモノラウリンは、長年にわたって重要な抗ウイルス活性を持っていることが知られている。ラウリン酸は中鎖脂肪酸で、ココナッツオイルの約50%を占めている。
・ラウリン酸とモノラウリンの抗ウイルス活性の説明には、3つのメカニズムが提唱される。
①ウイルスエンベロープの崩壊を引き起こす。
②ウイルス複製サイクルの後期成熟段階を阻害する可能性がある。
③ウイルスタンパク質の宿主細胞膜への結合を防ぐことができる。
[参考論文]
The Potential of Coconut Oil and its Derivatives as Effective and Safe Antiviral Agents Against the Novel Coronavirus (nCoV-2019) (Jan 31, 2020)
既に抗ウイルス活性を持つと知られているラウリン酸は、新型コロナウイルスに対しても効果的で安全な薬剤としても有用である可能性を示唆しています。そして、このラウリン酸を豊富に含んでいるのが、ココナッツオイルなのです。
もちろん、ココナッツオイルは薬ではないので、新型コロナウイルス患者の治療薬として効果が認められたということではありません。でも、私たちの身近でも手に入りやすいココナッツオイルが抗ウイルス効果も秘めているとは、嬉しいニュースではないでしょうか。